【工業化学科】課題研究〜養殖プロジェクト〜

今年度、工業化学科3年生は課題研究の一環として「アクアポニックス」の研究に取り組んでいます。「アクアポニックス」とは水生生物を養殖しながら、使用した水を循環利用し、植物を育てる画期的な技術で、国内の工業高校であまり挑戦されていない分野です。1学期に岡山理科大学と半田山植物園へ施設見学に行き、2学期から本格的に設備の製作、水質分析、試作機の運用を開始しました。今回は各班の進捗状況を報告します。

・設備製作チーム

 温室の製作を行っています。独立基礎のレベル出しを行い、今後は単管パイプと波板を使いながら、温室を製作していきます。研究の際に、本校の設備システム科から助言を受けました。

 

・養殖、植物栽培チーム

 住まいの、マルワ様から浴槽を提供していただき、養殖設備の試作品を製作しました。現在、岡山理科大学の山本准教授から提供していただいた好適環境水でボラを飼い始めました。順調に大きくなっています。今後はスケールアップした設備の製作を行う予定です。また、ボラの飼育と並行して、水耕栽培に関する好適環境水の影響を検証する基礎研究も行っています。

 

 

・太陽光エネルギー活用チーム

 設備のエネルギーは、なるべく再生可能なエネルギーを活用したいと考えています。太陽熱を利用した、熱交換器の製作や太陽光発電の利用などを検討しています。発電の技術について本校の電気科から太陽光パネルの提供やアドバイスを受けました。

 

・濾過槽、濾材製作チーム

 養殖槽のスケールアップには、効率よく物理濾過、生物濾過を行う必要があります。こちらのチームでは、濾過槽の設計を行っております。また、水をきれいに保つといわれている備前焼を原料として濾材を製作し、市販のセラミックと備前焼ボールの濾過能力の比較等を行う予定です。

   

・水質分析チーム

 養殖は日々の水質管理がとても大切です。温度、比重、pH、全窒素(アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン)、溶存酸素などを測定しております。1年生の工業技術基礎で行う水質分析実習でも、養殖水を教材として利用しています。10月中旬には岡山理科大学山本准教授のもとで、分析技術の講習会をお願いしています。